サヤ取りの概要
サヤ取りは世界の三大利殖の一つとされる投資手法と言われており、ローリスクミドルリターンでリスクに対して成功する可能性が高い投資手法です。
サヤとは2つの商品価格の差のことです。例えば株式では銘柄Aと銘柄Bの株価の価格差、商品相場では原油と石油製品の価格差などが挙げられます。
このサヤの拡大と縮小を狙って取引する方法をサヤ取りといいます。選択する2つの銘柄には一方が上昇すればもう一方も上昇するというような強い相関関係があることが前提となります。具体的な例として原油の銘柄でWTI原油と北海ブレント原油がありますが、これらの銘柄はどちらも同じような値動きをしています。ここで北海ブレント原油がWTI原油より割高であると判断した場合、北海ブレンド原油を売って、WTI原油を買うという2つのポジションを作ります。やがて時間の経過とともに北海ブレンド原油とWTI原油の価格差が縮小してきて適正な値サヤになったと判断したときにポジションを解消してサヤの変動分だけ利益を得ることができます。
図 サヤ取りイメージ
サヤ取りの種類
サヤ取りには以下のような種類があります。
スプレッド
先物取引で同銘柄異限月のサヤ取りです。
(例) WTI原油10月限とWTI原油9月限のような組み合わせ
ストラドル
異銘柄のサヤ取りです。
(例) トヨタ自動車と日産自動車のような組み合わせ
アービトラージ
異市場間のサヤ取りです。
(例) A社のドル円を買う B社のドル円を売る
サヤ取りの条件
サヤ取りを実行するためにいくつかの前提条件があります。
(条件1) 2つの銘柄に相関関係があること
相関とは一方の価格が上がれば他方の価格も上がるというような関係が成り立っていることです。その相関関係の強さを表す統計的指標として相関係数というものがあります。サヤ取りを実践する場合この相関係数が80%以上の組み合わせが好ましいです。
(条件2) サヤに周期性があること
サヤの拡大と縮小が周期的動くものは仕掛けやすいです。ただし周期が崩れたりすることはたびたび起こりますので、その時は速やかに撤退するか、ポジションが無い場合は値動きを様子をみることです。
(条件3) サヤのデータが正規分布に近似している
これは過去のサヤの分布が正規分布に近似していることです。正規分布とは平均と標準偏差から成り立つ確率分布で、平均値付近にのデータ数が一番多くなり、平均値から左右対称で離れるにつれデータの数が少なくなる分布です。条件2と同様に分布に大きく変わった場合はポジションを解消して撤退するか、ポジションが無い場合は休みを入れることです。
(条件4) 売りと買いの比率は揃える
サヤ取りの場合売りと買いのポジションの比率そろえることが好ましいです。同銘柄異限月の場合は証拠金、倍率とも同じなので特に意識する必要はなく1対1の割合で建玉すればよいのですが、異銘柄のサヤ取りの場合は倍率の大きい方にポジションに合わせなければなりません。
(条件5) 出来高の小さい銘柄はやらない
出来高が少ない市場は取引が成立しにくく自身の注文でも値段が動いてしまうことがありますので、結果として不利なポジションを持ってしまうことがあります。
参考文献
